発売直後にはあれほど山積みされていた秋味が、9月半ばを過ぎると忽然と棚から消え去る現象が毎年起きています。インターネット上では「生産中止になったのではないか」「地域限定に縮小されたのか」といった憶測すら飛び交いますが、その真相はビールの流通現場における極めて合理的なメカニズムに起因しています。
第一の要因は、コンビニエンスストアにおける「棚割りサイクルの短さ」です。セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンなどの大手チェーンでは、火曜日ごとに新商品が投入され、ビールの限定商品は発売から2〜3週間で売れ行きが鈍化すると即座に次の企画商品へ差し替えられる仕組みになっています。8月下旬に導入された秋味は、9月中旬にはハロウィン向け商品や秋のクラフトビール、あるいは早出しの冬限定銘柄へと押し出されてしまうのです。
第二の要因は、食品スーパーの「季節スポット発注」という商習慣です。バイヤーは秋味を定番棚ではなく、エンドと呼ばれる通路側の特設売り場向けに仕入れます。この発注は8月のお盆明けから9月の敬老の日・秋分の日前後に焦点を絞っており、追加発注をかけずに初回確保分を売り切った時点でそのシーズンの取り扱いを終了する店舗が少なくありません。
確実に手に入れるためのコツは、日常的な行動パターンを少し変えることです。コンビニを何軒もハシゴするよりも、ケース単位で在庫を抱える郊外型大型スーパー、ディスカウントリカーショップ(やまや、カクヤスなど)、あるいは確実な配送を担保できる大手ECモールのケース予約通販を活用するのが最も賢明な自衛策となります。