建築基準法という明確な国家資格基準が存在するにもかかわらず、街中を見渡せば無申請とみられるカーポートが数多く立ち並んでいます。なぜ、プロであるはずのエクステリア業者や工務店が申請を行わないのでしょうか。大手住宅メーカー出身の建築士および首都圏で外構設計を手掛ける事業者に取材を試みると、現場の根深い構造的問題が浮かび上がってきました。
取材に応じた外構施工会社の代表は、長年タブー視されてきたカーポート確認申請出さない理由について、声を潜めて次のように証言します。
「お客様から『カーポートをつけたい』と相談された際、正直に確認申請の手順や数十万円の手数料を説明すると、相見積もりをとった他社に『うちは申請なしで安く早くやりますよ』と仕事を奪われてしまうのが業界の日常でした。しかし、それ以上に深刻なのは、申請を出したくても出せない『建ぺい率オーバー』の住宅があまりにも多すぎる点です」
これが、現場で長年隠蔽されてきたカーポート建ぺい率オーバーの真相です。近年の分譲住宅や狭小地の注文住宅は、土地の広さに対して居住スペースを極限まで広げて設計されています。例えば、建ぺい率上限60%の土地に、本屋(母屋)だけで建ぺい率58%ギリギリまで使って建てられている住宅は珍しくありません。
そこへ車1台分(約14平米)のカーポートを増築しようとすれば、敷地全体の建ぺい率は容易に60%を超過します。特定行政庁や民間の指定確認検査機関に申請書類を提出した瞬間、建ぺい率オーバーが発覚するため、審査を通過することは構造上不可能です。結果として、悪質な業者は施主に対して「カーポートくらいで役所は見に来ません」「みなさん申請なしで設置しています」と虚偽の説明を重ね、違法状態であることを隠したまま施工を強行してきた経緯があります。
大手ネット掲示板やSNS上でも、「ハウスメーカーのアフター点検で違法建築を指摘され、保証が打ち切られそうになった」「隣人との境界トラブルから役所に通報され、撤去を迫られている」といった施主の悲痛な告白が2026年頃から急増しています。2026年の法改正以降、行政の巡回体制やデジタル航空写真・ドローンを活用した敷地状況の把握精度が飛躍的に向上しており、「バレないから大丈夫」という過去の常識は完全に崩壊しています。