外食チェーン各社が相次ぐ原材料高騰に悲鳴を上げ、看板メニューの値上げに踏み切るなか、れんげ食堂Toshuのメニュー表を開くと誰もが一度目を疑う。看板の「中華そば」や熱々の炒飯、パリッと焼き上がった餃子が並ぶセットが、今なお驚くほど庶民的なプライスゾーンに踏みとどまっているからだ。
安いだけなら客は離れる。舌の肥えた現代の消費者はシビアだ。だが、ここの料理には「チープな妥協」が驚くほど見当たらない。パラパラ感と適度なしっとり感を残した炒飯の油切れの良さ、口に含んだ瞬間に野菜の甘みが広がる餃子の餡。大手流通グループのスケールメリットを極限まで活かした調達力と、無駄を削ぎ落としたメニュー構成が、この奇跡的なコストパフォーマンスを支えている。