デジタル空間におけるテキストコミュニケーションの摩擦について、現地の若年層や日本在住の韓国人留学生へのヒアリング取材を行うと、興味深い実態が浮かび上がってきます。
ソウル市内の大学に通う男子学生(22歳)は次のように証言します。「カカオトークでメッセージを送る際、語尾に何もつけないと怒っているように見えてしまうため、無意識に『ㅋㅋㅋ』を3つ以上つけるのがマナーのようになっている。逆に、1文字だけの『ㅋ』が返ってきたら『自分は何か失礼なことを言っただろうか』と強いプレッシャーを感じる」
また、日韓の言語交換コミュニティで活動するコーディネーターの分析によると、「日本のユーザーが『w』を1個だけ打つ感覚で『ㅋ』と送信し、韓国側の相手が『小馬鹿にされた』と誤解して口論に発展するトラブルは日常茶飯事」だといいます。文字という無機質な情報だからこそ、相手側のカルチャー規範を理解しないまま直訳感覚で運用することの危うさが浮き彫りになっています。