インターネット上の言説では、タチという存在がステレオタイプ化され、過度な「理想の彼氏像」や「男役」として描かれることが少なくありません。しかし、この画一的なイメージこそが、パートナーシップにおける深刻なすれ違いを生む最大の要因となっています。
特に見落とされがちな盲点が、「フィジカルな役割」と「メンタルな役割」の不一致です。性行為においては挿入側(タチ)を務めるものの、普段の生活や精神面ではパートナーに頼り切りたい「フィジカルタチ/メンタルネコ」の人は実在します。逆に、ベッド上ではネコであっても、日常生活ではバリバリと家計や決断を引っ張るリーダーシップ型の人もいます。
「タチだから奢るべき」「タチだから常に冷静で決断力があるべき」といった、異性愛の古典的なジェンダー規範を同性愛のタチにそのまま当てはめようとすると、関係性に歪みが生じます。役割を単なる固定されたキャラクター設定として扱うのではなく、一人の生身の人間として多面性を受け止める姿勢が不可欠です。