あんずの里の魅力は、車窓から眺めるだけでなく、花の香りに包まれながら自らの足で歩くウォーキングにあります。信州千曲観光局が推奨する散策ルートは整備状況や高低差に応じて複数用意されていますが、体力とスケジュールに応じたコース選定が不可欠です。標準的なあんずの里 散策コース 所要時間は、中心街の散策のみで約1時間、本格的な展望台巡りを含めると約2時間30分〜3時間を要します。
歩行ルート上で絶対に外せないのが、SNSでも絶大な人気を誇るあんずの里 絶景フォトスポットの数々です。写真愛好家たちが夜明け前から三脚を構える名所には、それぞれ明確な見どころが存在します。
- 上平(うわだいら)展望台:里の最上部に位置し、眼下に広がる広大なピンクの絨毯と、遠方に残雪を冠した北信五岳の峰々を同一アングルに収められる屈指の景勝地です。
- 窪山(くぼやま)展望公園:傾斜地の中腹にあり、花の密度を間近に感じながら立体的な構図の写真を撮影できるベストロケーションです。
- スケッチパーク:なだらかな斜面にあんずの木が整然と並び、家族連れや足腰に不安がある方でも無理なく花びらのアップやポートレート撮影が楽しめます。
この壮大な景観の原点は、江戸時代の元禄年間に遡ります。伊予宇和島藩主・伊達宗利公の娘である豊姫が、第3代松代藩主・真田幸道公へ輿入れした際、故郷を偲ぶ思いを込めて持参したあんずの種子がこの地に根付いたと伝えられています。さらに、その種(杏仁)が貴重な咳止め薬として珍重されたことから、松代藩の産業振興策として栽培が奨励され、今日の一大パノラマが築き上げられました。歴史の重みに思いを馳せながら歩くことで、眼前に広がる景色の深みは一層増すはずです。