アイドル業界において「CDデビュー」は長年、正規メンバーとしてのステータスや公式なキャリアスタートを意味する絶対的指標でした。そのためネット上では「事務所から冷遇されているのではないか」「デビューのタイミングを逃した不遇のグループ」といった誤解や憶測が長年囁かれてきました。しかし、業界の内実を紐解くと、全く異なる実態が浮かび上がります。
最大の理由は、「劇場の主役」としての収益構造と表現形態が完全に自己完結している点にあります。ふぉ〜ゆ〜は、主演舞台のチケットを先行販売の段階で完売させる驚異的な動員力を誇ります。音楽CDの原盤制作や全国流通プロモーションには巨額の投資が必要ですが、ふぉ〜ゆ〜はすでに自前の舞台興行、単独ライブ、公式グッズ、そしてファンクラブ会費によって、盤石な経済圏を自力で構築しています。
さらに、STARTO ENTERTAINMENT発足以降のデジタルシフトも彼らの選択を後押ししました。配信限定シングルのリリースや公式YouTube・LINEアカウントの活用、そして定額制ファンクラブの運営により、「フィジカルなCDを全国流通させる形式上のデビュー」にこだわる実利的な意味が薄れました。辰巳雄大が過去のメディア取材で「CDを出していないからこそ、何にでも挑戦できる自由がある。僕らの主戦場は目の前のお客さんがいる現場」と語った通り、CD未デビューは妥協ではなく、持続可能な表現活動を追求した結果としての能動的選択です。