この詩的な表現が生まれた背景には、作詞を手掛けたアンソニー・キーディスの生々しい実体験が存在します。自伝『Scar Tissue』の中で、アンソニーはドラッグ中毒による破滅の淵から生還した当時の心境を生々しく告白しています。
ギタリストのジョン・フルシアンテが深刻なヘロイン中毒から奇跡的にバンドへ復帰し、メンバー全員が「死の影」から抜け出した直後に書かれたのがこのアルバムでした。富と名声を手に入れ、誰もが憧れるハリウッドのセレブリティ生活を満喫したはずの彼らが直面したのは、精神の荒廃と虚無感だったのです。
アンソニーはニュージーランドを旅していた際、現地の人々がアメリカの薄っぺらなテレビカルチャーや消費財に熱狂している光景を目の当たりにし、「カリフォルニアの毒が世界中に感染している」と戦慄したと語っています。きらびやかな成功者の街の裏側にある「商品化された夢の代償」を知り尽くした彼だからこそ、「First born unicorn」という美しくも不気味な言葉を紡ぎ出すことができたと言えます。