きのこの山が誕生したのは1975年(昭和50年)。そのルーツは、1969年に発売された大ヒット商品「アポロ」の生産ラインの有効活用にありました。当時の開発チームが「アポロの設備を活かし、次なる国民的チョコスナックを作れないか」と試行錯誤を重ねる中で、クラッカーの棒を刺してキノコの形に見立てるアイデアが生み出されたのです。
当時、板チョコが主流だった日本の菓子市場において、「自然の造形をモチーフにしたチョコスナック」は極めて前衛的な挑戦でした。社内会議では「お菓子におどろおどろしいキノコの名前をつけるのか」と反対意見も出ましたが、開発陣の熱意によって商品化が実現。パッケージにも日本の原風景である里山のイラストを採用し、温かみのある世界観を確立しました。
発売以来、明治の職人たちはクラッカーの焼き加減やカカオブレンドの配合を時代に合わせて微細にアップデートし続けています。素朴な見た目の中に、半世紀近く培われた高度な成型技術と味わいへの情熱が凝縮されています。