本作の再放送や動画配信がストップしている背景には、単一の要因ではなく、複数の深刻なハードルが絡み合っています。テレビ局関係者や芸能ジャーナリストへの取材を通じて浮き彫りになったのは、主に以下の3つの障壁です。
最大の障壁と目されているのが、真喜男を「若頭」と慕い影のように支えた弟分・真鍋和弥役を演じた元KAT-TUN・田中聖氏の度重なる刑事事件です。田中氏はグループ脱退後、薬物取締法違反などで複数回の逮捕・有罪判決を受けています。民放テレビ局における地上波の再放送では、番組提供スポンサーの厳しいコンプライアンス審査を通過しなければなりません。主要キャストの一角が薬物事犯を起こしている場合、企業イメージを重視するスポンサー企業からの同意を得ることは極めて困難であり、編成上の自主規制が働くのが通例です。
2つ目の要因は、韓国映画リメイクに起因する権利関係の複雑さです。本作は、2001年に公開された韓国映画『頭師父一体(マイ・ボス マイ・ヒーロー)』を原案としています。リメイク作品の場合、日本国内での初回放送時の許諾だけでなく、海外輸出やDVD化、将来的なインターネット配信といった「二次利用」に関して、韓国側の権利元と個別に契約を結ぶ必要があります。放送当時の2006年は、定額制動画配信サービスが社会インフラとして普及することを想定した契約形態が確立されておらず、配信権を再取得するためのコストや交渉負担が再配信の足枷となっています。
3つ目は、出演者の所属事務所移籍や独立に伴う肖像権・著作隣接権の調整です。主演の長瀬智也氏は2021年3月をもって芸能事務所を退所し、桜小路順役を演じた手越祐也氏も2020年に独立しています。過去のジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)所属タレントが複数名関与している作品では、退所後のマネジメント窓口の分散により、配信プラットフォーム側が支払う権利料の配分や許諾手続きが煩雑を極めるケースが少なくありません。