松嶋菜々子のキャリアを語る上で欠かせないのが、1990年代後半から2000年代初頭にかけて訪れた怒涛の全盛期です。1998年放送のフジテレビ系ドラマ『GTO』の冬月あずさ(冬月先生)役では、破天荒な主人公・鬼塚英吉に振り回されながらも芯の強さを見せるヒロインを愛らしく演じ、最高視聴率35.7%を記録する大ヒットを支えました。この作品で見せたタイトスカートにジャケットという清潔感あふれる教師スタイルは、世の男性たちにとっての理想の女性像そのものでした。
そして2000年、彼女の美しさが極限に達したと語り継がれる伝説のラブコメディ『やまとなでしこ』が誕生します。松嶋が演じた客室乗務員・神野桜子は、「女を幸せにしてくれるのは男の金だけ」「愛よりお金」と公言してはばからない強烈なキャラクターでした。一歩間違えれば嫌われかねない役柄でありながら、最高視聴率34.2%を叩き出す国民的ヒットとなったのは、彼女の圧倒的な美貌と気品、そして内に秘めた繊細さを完璧に表現しきったからです。
劇中で披露したラグジュアリーなコンサバ系ファッションや上品な巻き髪スタイルは当時の働く女性たちに爆発的なブームを巻き起こし、「神野桜子になりたい」と願う女性が街中に溢れかえるなど、社会現象と呼ぶにふさわしい影響力を誇りました。