猫の毛色を決定づける遺伝子のメカニズムは、驚くほど緻密で複雑だ。黒とオレンジ(茶)の毛色を規定する遺伝子はX染色体上にしか存在しない。メスはXX染色体を持つため両方の色を発現できるが、通常XY染色体を持つオスは黒か茶のどちらか一方しか表現できない。三毛猫になるための遺伝的条件が、通常オスの染色体構成では成立しないのだ。
それにもかかわらず、稀に誕生する個体が存在する。過去のオークションや海外の取引市場では、愛好家の間で数千万円、時には2000万円以上のプライスが付いた事例も報告されてきた。この圧倒的な珍しさと希少価値こそが、市場の熱狂を生み出し、奇跡の存在として崇められる根源になっている。