プロ野球最年長が放つ光と影|40代現役が挑む生存競争と限界の壁

プロ野球最年長が放つ光と影|40代現役が挑む生存競争と限界の壁

プロ野球最年長が放つ光と影|40代現役が挑む生存競争と限界の壁の見逃せないポイントを徹底的にカバーしました。

プロ野球のベテラン選手を取り巻く言説において、ネット上で頻繁に巻き起こるのが「功労者への忖度で枠を潰している」「若手の登板機会を奪う『枠泥棒』ではないか」という厳しい批判です。毎年1軍登録枠(ベンチ入り26人・登録31人)と支配下登録70人の枠組みが厳密に決められているプロ野球において、ベテランの延命に対するファンの視線は時に極めて辛辣になります。

しかし、これは現代プロ野球のチームビルディングにおける決定的な盲点を突いた誤解と言わざるを得ません。球団首脳陣がベテランを支配下枠に残し続けるのには、冷徹なチームマネジメント上の根拠が存在します。

第一に、「イニング消化能力と計算の立ちやすさ」です。若手有望株は好不調の波が激しく、時に序盤で大量失点してリリーフ陣を疲弊させるリスクを孕みます。対して、長年の修羅場をくぐってきたベテランは、調子が悪くても最低限5回を3点以内にまとめる投球術を持っています。この「計算が立つ」という要素は、143試合を戦い抜くペナントレースにおいて監督・コーチにとって計り知れない保険となるのです。

第二に、「若手へのメンター効果」です。近年、日本プロ野球でも導入が進む「メンター制度」において、現役で結果を出し続けるベテランの日常の過ごし方そのものが、最高峰の生きた教材になります。食事の摂り方、球場入りの時間、アイシングの手順、試合前の準備ルーティンなど、言葉ではなく背中で示す指導力は、どれほど優れた指導者でも「現役選手」という同じ目線には敵いません。忖度どころか、費用対効果の観点からも極めて合理的な戦力配置なのです。

前田 葵
著者

前田 葵

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。