宮崎あおいが芸能界に入ったのは1998年、13歳のときである。よく「スカウトされた」と誤解されがちだが、実際のきっかけは母親が雑誌や広告のオーディションに応募したことだった。これは本人が後に複数のインタビューや自著で明かしており、当時の心境を「芸能界に興味があったわけではなく、気づいたら受かっていた」と振り返っている。この「自分の意思ではない芸能界入り」という出発点が、後の彼女のキャリアと心理的葛藤を理解する上で極めて重要な鍵となる。
デビュー当時の映像を確認すると、13歳とは思えない透明感と、カメラを真っ直ぐ見つめる瞳の強さに驚かされる。しかし、その裏には「人前に出るのが苦手で、オーディション会場でもずっと俯いていた」という本人談がある。芸能事務所の関係者によれば、初期の宮崎あおいは「現場で泣いてしまうこともあったが、一度カメラが回ると別人のように集中するタイプだった」と評価していたという。この「素の自分」と「演じる自分」の著しい乖離は、13歳という多感な時期の少女にとって、どれほどの心理的負荷だったか。その重さを軽視してはならない。