日本の野原でよく混同される大型・中型バッタの代表格が、クルマバッタモドキ、クルマバッタ、そしてトノサマバッタの3種です。野外で一瞬飛び立っただけでは判別が難しく見えますが、静止時と飛翔時の特徴を観察すれば明確な違いが存在します。
もっとも確実な識別点は「前胸背板(背中)の形状と模様」です。クルマバッタモドキの背中には、上から見るとはっきりと確認できる白いX字状の筋模様が走っています。さらに前胸背板の中央にある隆起線が低く、平坦に近い形状をしているのが特徴です。一方のクルマバッタは、背中の中央がまるでラクダのコブのように弓状に強く盛り上がっており、X字模様はありません。トノサマバッタは全体的に大型で、背中の盛り上がりは緩やかで模様も異なり、すっきりとした体型をしています。
次に注目すべきは、翅(はね)を広げたときに見える「後翅(こうし)の色彩パターン」です。クルマバッタは名前の由来通り、鮮やかな黄色地に太く濃い黒の帯が半円状に入り、まるで車輪のように見えます。クルマバッタモドキにも後翅に黒帯がありますが、地色がやや薄い黄緑色から透明に近く、黒帯の輪郭もクルマバッタほど極端には際立ちません。トノサマバッタの後翅にはこうした目立つ黒帯がなく、ほぼ全体が透明または淡い黄褐色です。