同じ「性未経験の男性」を指す言葉であっても、「チェリーボーイ」と「童貞」では受ける印象や使われる文脈が大きく異なります。その背景には、それぞれの言葉が辿ってきた歴史的ルーツの違いが存在します。
童貞の語源と由来は、古代中国の漢語や仏教・キリスト教の宗教概念に遡ります。本来は「穢れのない清らかな少年・少女」を意味し、修道士や聖職者の独身純潔を指す崇高な宗教用語でした。明治期に西洋文学や聖書の翻訳語として「virginity」の訳に「童貞」が充てられ、昭和中期以降に男性の性未経験を指す一般名詞として広く定着した経緯があります。
一方のチェリーボーイは、前述の通り近代以降のポップカルチャーや海外スラングから派生したカジュアルな表現です。「童貞」という言葉が持つ重苦しさや生々しさをオブラートに包み、会話をユーモラスに演出するための緩衝材として機能してきました。