昭和の時代、静岡の子供たちはお小遣いを握りしめ、駄菓子屋の店先でおでんを頬張っていた。そのローカルな日常食を全国レベルの知名度へと押し上げた立役者が、株式会社海ぼうずの創業者である坂本直之氏だ。氏の情熱と現場主義が、名もなき下町の味にスポットライトを当てた。
転機となったのは、地域活性化の旗手たちが集った静岡おでんの会との共闘、そしてB-1グランプリへの挑戦だった。漆黒の出汁に浸かった串刺しの具材という異形のビジュアルは、テレビ番組『秘密のケンミンSHOW』をはじめとするメディアで瞬く間に話題を呼び、単なるB級グルメから日本を代表するご当地グルメへと昇華したのだ。