音楽理論の観点から本作を分析すると、聴き手に押し付けがましさを感じさせず、心の奥深くまで染み渡る理由がコードワークとアレンジに隠されています。原曲のキーはE♭(変ホ長調)。ギターで弾き語る際には、カポタストを1フレットに装着してキーDフォームで演奏するか、3フレットに装着してキーCフォームで演奏するのが一般的です。
特筆すべきは、要所で挟み込まれるメジャーセブンス(M7)コードやサスペンデッドフォー(sus4)、そしてゴスペル特有のドミナントモーションの巧みな配置です。温かみのあるアコースティックギターのストロークに、ホーンセクションと女性コーラスの重厚なハーモニーが絡み合うことで、まるで母胎に包まれているかのような安心感を生み出しています。
ギター愛好家の間でも「コード進行をなぞるだけで胸が熱くなる」と評判が高く、シンプルでありながらコードのボイシング(音の積み重ね方)に徹底的なこだわりが詰め込まれています。決して派手な転調に頼ることなく、滑らかなベースラインの下降と上昇によって感情の揺らぎを表現する手法は、職人技と呼ぶにふさわしい仕上がりです。