現場従事者の間では「落とすための試験ではなく、受からせるための講習」と評されることが多い本講習ですが、酸欠作業主任者の合格率は公表データや各教習機関の推計でおよそ98%〜99%を推移しています。受講者の大半が合格証を手にして帰途につくのは紛れもない事実です。
しかし、残りの1〜2%は確実に不合格となっています。1クラス40〜50名の受講者がいれば、会場全体で1人前後が涙を呑む計算です。では、なぜ極めて合格率の高い講習で「酸欠作業主任者に落ちた」という事態が起きるのでしょうか。教習機関の指導員や実際の受講者の証言を総合すると、不合格になる人には明確な共通項が存在します。
最も多い不合格の要因は、学力不足ではなく「受講態度による即時失格」です。労働安全衛生法に基づく技能講習は規定の講習時間(全科目)を漏れなく履修することが法令で厳格に義務付けられています。そのため、講習中の居眠り、度重なるスマホいじり、電車の遅延や昼休憩からの戻り遅れによる遅刻は、講師や教習機関の巡回員から容赦なくイエローカード・レッドカードを提示されます。数分の遅刻や居眠りによる退出勧告で、試験を受ける権利すら剥奪されるケースが後を絶ちません。
もう一つの要因が、「講師の話を全くメモしない極度の油断」です。修了試験の問題は、講習中に講師が「ここにはアンダーラインを引いてください」「この数字は試験に出ます」と口頭で明告した箇所から出題されます。講師のヒントを聞き逃してテキストの該当箇所にマークすらしていない場合、四肢択一の試験で合格基準点(各科目40%以上、全体60%以上)を下回ってしまうのです。