視聴者の間で長年熱烈に囁かれているのが、パトリック天才説の真相です。「普段の愚行は世間を欺くポーズで、実はビキニタウンで最も知能が高いのではないか」という仮説は、単なるネットの妄想にとどまらず、作中の具体的なエピソードが発端となっています。
決定的な証拠として挙げられるのが、名作回として名高いシーズン4第68話「パトリック頭脳明晰(Patrick SmartPants)」です。崖から落ちて頭部を破損したパトリックが、誤って「ブレインコーラル(脳サンゴ)」を頭に取り付けた結果、IQが急上昇して超天才へと変貌。論理的思考力と膨大な学術知識を手に入れます。しかし、あまりの知能の高さゆえにスポンジ・ボブとの無邪気な遊びを楽しめなくなり、精神的な断絶を感じたパトリックは「知識なんて友達の代わりにはならない」と自ら元の脳(サンゴ)を外し、元の状態に戻る道を選びました。
また、通常時であっても時折、ソクラテスのような哲学的真理や鋭利な洞察を不意に口にする場面が多々あります。何もしないことの贅沢さを熟知し、世俗的な成功に執着しないパトリックの生き様は、東洋哲学における「無為自然」を体現しているとも評価されています。
さらに、ファンを驚嘆させた公式のスポンジボブのキャラクター裏設定として外せないのが、「パトリックとペットのゲイリーが実はいとこである」という事実です。シーズン4第77話「支配者パトリック」において王室の家系図が明かされ、パトリックとスポンジ・ボブの愛カタツムリであるゲイリーが、血を分けた親戚同士であることが公式に立証されました。
もうひとつの素朴な疑問である「パトリックの家はなぜ岩なのか」という点にも、論理的な理由が存在します。原作者の故ステファン・ヒーレンバーグ氏は、アニメーターに転身する前に海洋生物学を教えていた本物の海洋学者でした。自然界のヒトデが外敵や海流を避けるために「平らな岩の下」に張り付いて生息する生態学的リアルを、コミカルな住居デザインとして落とし込んだ結果があの岩の家です。岩を持ち上げると砂で作ったテレビやベッドが配置されているというシュールな内装も、彼のシンプルかつ原始的なライフスタイルを完璧に表現しています。