西原浄水場が現在の強固な処理体制に至るまでには、沖縄の水環境が直面してきた数多くの試練が存在します。かつての沖縄は慢性的な干ばつと断水に悩まされ、1970年代から80年代にかけての「326日断水」に代表される水不足が社会生活を脅かしていました。これに対し、北部ダム開発と送水パイプラインの整備が進められ、西原浄水場は南部都市圏への安定供給基地として段階的な拡張を重ねてきました。
2010年代半ば以降は、水質リスクに対する住民意識の高まりを受け、PFAS対策としての粒状活性炭の充填・定期更新、薬品混和池や沈殿池の改良工事が次々と実施されました。特に近年は、活性炭の吸着能力低下を防ぐための計画的交換サイクルの短縮化や、水質異常を24時間体制でキャッチする連続自動監視モニターの刷新が行われています。
現在進行している中長期の施設更新計画では、供用開始から年数が経過した構造物の耐震補強、浸水対策の強化、省エネルギー型ポンプ設備の導入、さらには大規模災害時でも送水を継続できる非常用自家発電設備の増強が進められています。激甚化する台風災害や大規模地震に備えたレジリエンス強化が、西原浄水場の現場における最優先課題となっています。