店内に一歩足を踏み入れると、壁面を埋め尽くす大量の色紙に目を奪われます。プロ野球選手をはじめとするトップアスリート、全国区のお笑い芸人、ミュージシャン、歌舞伎役者に至るまで、名だたる著名人のサインが所狭しと並び、この場所が長年にわたり各界の一流たちに愛されてきた事実を無言で証明しています。
福岡遠征を行うスポーツチームの関係者やタレントが「博多に来たら必ずここに立ち寄る」と公言するケースも珍しくありません。遠征先での疲労を吹き飛ばすスタミナ食として、玄風館の濃厚なニンニクと唐辛子の組み合わせが重宝されてきた歴史があります。
SNSや口コミプラットフォームに投稿された生の声を分析すると、評価はおおむね以下の3つの傾向に集約されます。
「煙で目が痛くなり、涙を流しながら肉を焼いたが、口に入れた瞬間に全てを許した」「おしゃれ着で行ってはいけない戦場。だがその不便さすらアトラクションとして楽しい」「どんな高級焼肉店に行っても、結局この下品なまでに美味い玄風館のタレに戻ってきてしまう」
つまり、利用者の多くは近代的な快適性を求めて訪れているのではなく、昭和の大衆酒場が持っていた圧倒的な熱量と、他店では絶対に真似できない極端な味付けを体験するために集まっているのです。