遠藤雄弥の俳優人生において、もっともドラスティックな舵切りとなったのが、ワタナベエンターテインメントの若手俳優集団「D-BOYS」からの卒業・脱退です。2004年の結成以来、初代リーダーとして個性豊かなメンバーをまとめ上げ、グループの顔としてファンイベントや舞台を成功に導いてきた彼が、なぜその座を降りたのか。
表向きには「俳優業に専念するため」と説明されましたが、その深層には「アイドル的な人気先行の環境に甘え続けることへの強烈な危機感」がありました。当時のインタビューや関係者の証言を振り返ると、遠藤は集団の中で守られる立場よりも、ひとりの表現者として荒波に揉まれることを渇望していました。群れを離れ、個としてオーディションに挑み、ときに厳しい批評に晒される道を選んだのです。
大手事務所の庇護のもとで約束されたポジションを捨て、泥臭い小劇場やインディーズ映画の現場へ飛び込んでいったこの決断こそが、今日の唯一無二の存在感を作り上げました。かつての仲間たちとも不仲による離反ではなく、お互いの表現者としての成長を認め合う円満な巣立ちであったことは、現在に至る彼らの交流からも窺い知ることができます。