山本投手の高校3年間を語る上で欠かせないのが、劇的な球速の進化としなやかな投げ方(投球フォーム)の確立です。高校入学当初、身長170cm台前半で細身だった彼のストレートは125〜128km/h前後にとどまっていました。しかし、2年春には140km/hを突破し、2年秋には147km/h、そして3年春には自己最速となる151km/hを計測するまでに至ったのです。
この異次元の球速アップを支えたのは、一般的な強豪校に見られる重いバーベルを持ち上げる過度なウエイトトレーニングではありませんでした。山本投手は高校時代から、自身の身体の骨格や関節の可動域を最大限に生かすトレーニングに関心を寄せていました。
当時の投げ方は、現在見られるような特徴的な胸郭のしなりと腕をコンパクトに振る「ジャベリックスロー(槍投げ)」の要素を取り入れたフォームの前段階にありました。無駄な力みを一切排除し、股関節から体幹、指先へと連動させるエネルギー伝達の効率性を追求していたのです。高校野球の現場でありがちな「走り込み至上主義」や「根性論」に盲従せず、自分の身体の感覚と対話しながらフォームを構築していく探求心は、すでにこの都城高校時代から際立っていました。