工場内で何十人、何百人と整列し、完璧にシンクロしたダンスを披露するウンパルンパたち。一見するとフルCGアニメーションのように思えますが、実は「ディープ・ロイ本人の実写演技を何度も重ね合わせる」という気の遠くなるようなアナログ×最新デジタルの融合技術で撮影されています。
プロダクションノートによると、劇中に登場するウンパルンパの総数は165人。ディープ・ロイは、それぞれの立ち位置、異なる表情、個別の振り付けをすべて個別に演じ分けました。ワンシーンの群舞を完成させるため、同じ曲に合わせて数百回ものテイクを重ね、ミリ単位でカメラの動きをプログラミングする「モーション・コントロール・カメラ」の前で正確無比なパフォーマンスを繰り返したのです。
この撮影に備え、ディープ・ロイはクランクイン前の数カ月間にわたり、過酷なピラティスやダンスのパーソナルトレーニングを毎日数時間受講。体の柔軟性と持久力を極限まで高めて撮影に臨みました。表情筋の動きひとつをとっても、皮肉めいた笑み、無表情、驚きの目線など、1人ひとりに細かなバックストーリーを設定して演じ分けたと本人がインタビューで述懐しています。
これほどの肉体的・精神的負担を強いる過酷な役作りに対し、ティム・バートン監督と製作陣は最大の敬意を表しました。当初取り決められていた出演契約に対し、その超人的な労力と作品への多大な貢献を評価した結果、出演ギャラが100万ドル(当時のレートで約1億1000万円以上)へと跳ね上がったという異例のエピソードは、映画業界の語り草となっています。