ネット上のQ&AサイトやSNSでは、「赤い尿が出たけれど、排尿痛もお腹の痛みもないから一過性のものだろう」「激痛がないなら結石でもないし大丈夫」といった書き込みが散見されます。しかし、これは医療現場の視点から見ると極めて危険な誤解です。
尿路結石や急性の細菌性膀胱炎であれば、排尿時の鋭い痛みや残尿感、脇腹の激痛を伴うため、患者はすぐに医療機関へ駆け込みます。一方で、血尿で疑われる重大な病気である「膀胱がん」や「腎盂・尿管がん」の初期症状の多くは、痛みを一切伴わない「無痛性肉眼的血尿」です。
ある日突然尿が真っ赤になり、1〜2回で自然と元の薄い黄色に戻ってしまうことがあります。この一時的な軽快を見て「治った」と錯覚し、受診を数か月〜1年以上遅らせてしまうケースが臨床現場で頻発しています。がん組織からの出血はいったん止まることが珍しくありません。痛みの有無にかかわらず、目に見える赤い尿が出た段階で直ちに泌尿器科での内視鏡検査や超音波検査を受ける必要があります。