『それいけ!アンパンマン』の長い歴史において、キャラクターが悪に染まる「黒化エピソード」は定期的に描かれてきました。最も有名な「ブラックロールパンナ」をはじめ、「ブラック鉄火のマキちゃん」や「ブラックちびぞう」など、普段は善側であるキャラクターの闇堕ちは常に高い人気を集めます。
そのなかでもブラックニガウリマンが異色とされる理由は、「ハードボイルドな大人のキャラクターが闇に堕ちる」という特異なシチュエーションにあります。宿命的な悪の心と戦い続けるロールパンナとは異なり、普段は完成された人格者であるニガウリマンが操られるからこそ、そのギャップと悲哀がより鮮烈に際立ちました。
西部劇のガンマンを彷彿とさせる孤高の佇まいと、洗脳による冷酷な悪役への転身。このダイナミックな振れ幅が、今なおアニメファンやサブカルチャー愛好家の間で語り草となっている最大の要因です。