公園のトイレを利用しようとして最も戸惑うのが、トイレットペーパーが設置されていないケースです。「税金で維持されているはずなのに、なぜ消耗品すら置かれないのか」と疑問を抱く利用者は後を絶ちません。しかし、自治体や指定管理者が紙を置かない背景には、単なる経費節約にとどまらない深刻な事情が存在します。
最大の理由は、悪質ないたずらや盗難被害の多発です。ロールごと持ち去られるケースはもちろん、一度に大量の紙を引き出して便器に詰め込み、意図的に排水管を詰まらせる事案や、紙に火をつける放火未遂といった危険行為が全国の自治体で報告されています。一度排水管が詰まれば、高圧洗浄や配管工事に数十万円規模の税金が投じられることになります。こうしたリスクを回避するため、あらかじめ「紙は持参」という運用に踏み切らざるを得ないのが実情です。
また、日没後や深夜になると出入り口が施錠される「夜間閉鎖」も増えています。これは、深夜の公園トイレが不審者のたまり場や薬物乱用、不法滞在の温床になるのを防ぐための防犯措置です。閉鎖されているトイレには「近隣住民の治安維持と防犯パトロールの巡回負担軽減」という明確な防衛策としての役割が課されています。