松本幸四郎が率いる新たな『鬼平犯科帳』の成功は、単なるリメイクの成功にとどまりません。祖父から叔父へ、そして甥から実子へと受け継がれる歌舞伎界の「芸と血脈の継承」が、長谷川平蔵という不世出の英雄像に比類なき厚みをもたらしています。
また、平蔵が率いる火付盗賊改方の組織論は、現代の組織マネジメントやリーダーシップの教科書としても極めて有用です。失敗した部下や前科のある者を頭ごなしに否定せず、適性を見極めて「居場所」と「誇り」を与える平蔵の姿勢は、相互の信頼関係を構築する上で示唆に富んでいます。
【プロの判断基準】こんな人におすすめ・注意が必要な人
- 間違いなく心に刺さる人:
- 人間の弱さや情念を描いた、奥行きのある本格的な人間ドラマを求めている人
- 松竹京都撮影所の職人芸による、本物の美術・陰影・殺陣アクションを堪能したい人
- 父と子、上司と部下の濃密な信頼関係や組織論に触れたい人
- 少し慎重になるべき人:
- 10分に1回テンポよく事件が解決する、ライトで爽快な勧善懲悪モノだけを期待している人
- 江戸時代の身分制度や泥臭い人情のやり取りに全く関心がない人