近年の自炊・日常食ブームを力強く牽引した名作といえば、映画『きのう何食べた?』だろう。劇中で描かれる手際の良い調理シーンと素朴な食卓の風景は、多くの観客の食欲と料理意欲を大いに刺激した。特に身近な食材を丁寧に仕立てる小鉢料理の魅力を再発見させた功績は計り知れない。
飾らない家庭の味としての和食・日本料理は、海外の食通からも改めて「究極のヘルシー&フュージョンフード」として注目を集めている。素揚げして素材の旨味を閉じ込め、出汁に浸して余分な油感をリセットするアプローチは、日本の先人たちが生み出したきわめて合理的かつ繊細な調理技術の結晶と言える。