ネット上や金融業界の噂話として定期的に浮上するのが、「りそな銀行東京本社の大手町移転計画」です。特に2020年代以降、金融機関のDX(デジタルトランスフォーメーション)や店舗網の再編が進むたび、「りそなもいよいよ大手町へ全面回帰するのではないか」という観測記事が一部で囁かれてきました。
しかし、2026年最新動向を踏まえた取材データと公式の経営方針から導き出される結論は、「木場からの全面移転はなく、大手町サテライトとの機能分担をさらに深化させている」というのが紛れもない事実です。
りそなグループは確かに、千代田区大手町の「大手町プレイス」などに法人営業部門やFinTech実証実験、オープンイノベーション拠点を整備してきました。中央省庁や日本銀行、大企業トップとの緊密な折衝が求められるフロント機能については、利便性の高い大手町にアンテナを張るのが合理的だからです。
しかし、バックオフィス機能、システム開発、審査、持株会社の総務・法務といった巨大な人員を要するセクションをすべて大手町に移転させれば、年間数十億円単位の固定資産コスト増加を招きます。自社ビルではなく長期賃貸契約に基づく効率運用を強みとしてきた同行にとって、単なるブランド威信のために木場を手放す理由は存在しません。「木場=グループの巨大オペレーションマザーシップ」「大手町=戦略的フロントサテライト」というハイブリッド体制こそが、現在の完成された姿です。