腸内で産生される短鎖脂肪酸の約9割以上を占めるのが、「酪酸(らくさん)」「酢酸(さくさん)」「プロピオン酸」の3つの有機酸です。それぞれが固有の役割を担い、相互に連携しながら腸内フローラの環境を底上げしています。
まず、酢酸はお酢の主成分としても知られ、大腸粘膜のバリア機能を高めて悪玉菌の増殖を抑える強力な殺菌作用を発揮します。次にプロピオン酸は、腸管から吸収された後に肝臓へ送られ、糖新生の抑制や脂質代謝の調整に関与します。そして酪酸は、大腸上皮細胞の主要なエネルギー源となるほか、過剰な免疫暴走を抑える制御性T細胞(Treg)の分化を強力に誘導することが明らかになっています。
これらの短鎖脂肪酸が大腸内を弱酸性に保つことで、有害な腐敗産物を生み出す悪玉菌が棲みにくい環境が完成し、腸内フローラ全体の健全化がスピーディーに進む仕組みです。