アダンの木をめぐる最大の混乱は、見た目が酷似するパイナップルや近縁種のタコノキとの混同です。植物分類学上のタコノキ科アダン属詳細を押さえると、それぞれの違いが明確に浮かび上がります。
アダンとパイナップルの違いにおける最も明快な識別ポイントは「木か草か」「実が上向きか下向きか」です。パイナップルは畑の畝から生えた草の中央に1個だけツンと上を向いて実を結びますが、アダンは木質化した頑丈な幹から枝分かれし、複数の実がぶら下がるように実ります。砂浜に自生している木に実がついている時点で、パイナップルではなくアダンと判断できます。
一方、同科であるアダンとタコノキの見分け方はやや専門的です。見分ける鍵は「樹形」と「自生地」にあります。タコノキは幹が高く直立し、気根(支柱根)がタコの足のように整然と四方へ伸びるのに対し、アダンは横方向へ這うように乱雑に枝分かれして砂浜を覆い尽くします。また、沖縄の海岸に自生しているものは基本的にアダンであり、タコノキは小笠原諸島以外では植物園や街路樹として人為的に植樹されたものに限られます。