日本政治において服装が政治的メッセージとして機能した例は、稲田氏のケースに限らない。古くは小泉純一郎内閣時代の「クールビズ」導入が代表的である。ノーネクタイ・ノージャケットというスタイルを政治主導で定着させたことで、エネルギー削減の啓発と先進的な政権イメージの両立に成功した。
政治家にとって服装とは、政策や思想を直感的に国民へ伝えるパフォーマンスツールである。クールビズが機能的な改革として定着した一方で、女性政治家のドレスコードに関しては統一された基準が存在しない。そのため、自己表現と伝統的マナーの狭間で揺れる葛藤が、稲田氏のスカート論争を通じて浮き彫りになったと言える。