この前代未聞の奇策を主導したのが、後に音楽事務所「WACK」を設立し、BiSHなどを大ヒットへ導く渡辺淳之介プロデューサーでした。当時つばさレコーズの社員だった渡辺氏は、限られた制作予算の中で大手事務所のアイドルに対抗するため、「常識を疑い、既存のルールを破壊する」ロックの精神をアイドルに持ち込む戦略を打ち立てました。
全裸という過激なビジュアルでまず世間の視線を引きつけ、その上で松隈ケンタ氏が手掛ける極めて完成度の高いエモーショナルなロックサウンドを聴かせるという二段構えの手法は、まさに計算された炎上マーケティングでした。ネット上での賛否両論の反応そのものをプロモーション装置へと変換し、サブカルチャー層やロックキッズを急速に巻き込んでいく独自の導線を生み出したのです。