結論から言えば、見知らぬ相手や目上の人、店舗の店員に対して「ミアネ」と言い放つ行為は、日本語で言えば年長者に『ごめん!』とタメ口で言い捨てるのと全く同じ無礼にあたります。ドラマのワンシーンで主人公たちが感情豊かに「ミアネ!」と言い合っている姿に親しんでいると、つい気軽な謝罪語として口から飛び出しがちですが、そこには文脈という決定的な前提が存在します。
韓国語の文法構造において、「ミアネ(미안해)」および短縮形の「ミアン(미안)」は、親しい友人や年下の相手にのみ許されるパンマル(タメ口)です。韓国の社会通念では、たとえ相手が1歳差であっても初対面や目上であれば敬語を崩さないのが不文律とされています。そのため、地下鉄で足を踏んでしまった際や街頭で肩がぶつかった際に「ミアネ」と返してしまうと、相手は「なぜ見ず知らずの他人に馴れ馴れしくタメ口を叩かれなければならないのか」と強い不快感を抱くことになります。
さらに丁寧語とされる「ミアネヨ(미안해요)」であっても、安心はできません。語尾に「ヨ」を付けることで敬語(ヘヨ体)の形は取っているものの、親しい間柄の年上や同年代に対して柔らかく申し訳なさを伝えるニュアンスにとどまります。公式な場やビジネスシーン、あるいは明らかな過失に対して深い謝罪を示す場面で「ミアネヨ」を用いると、「どこか反省が軽く、他人事のように聞こえる」と受け取られかねません。