なぜ物が捨てられない?心理と病気の真相|実家の片付けと脱出術

なぜ物が捨てられない?心理と病気の真相|実家の片付けと脱出術

なぜ物が捨てられない?心理と病気の真相|実家の片付けと脱出術についての真相をご紹介します。

整理整頓の不得手さが個人の許容範囲を超え、日常生活や健康に重大な支障をきたしている場合、精神医学的な観点からのアプローチが不可欠です。アメリカ精神医学会の診断基準(DSM-5-TR)および世界保健機関の『ICD-11』において独立した精神疾患として定義されているのが「ためこみ症(ホーディング障害)」です。ためこみ症の診断基準では、物品の実際の価値に関わらず手放すことに対して持続的な困難を感じ、その結果として居住空間が本来の目的で使用できなくなっている状態が重視されます。

一方で、近年注目度を増しているのが発達障害と片付けられない関係です。特にADHD片付けられない理由を神経心理学的に分析すると、脳の前頭前野が担う「実行機能」の脆弱性が根本にあります。ADHD特性を持つ人は、目の前にある複数の刺激から優先順位をつけるワーキングメモリの容量が逼迫しやすく、「要・不要を瞬時に判断する」「分類して定位置に戻す」という一連のマルチタスクが脳内でショートしてしまうのです。

分類区分詳細・数値データ一般的な基準・主な行動特徴編集部の見解・評価一般的な片付け下手人口の約20〜30%が自覚(時間的制約が主因)散らかってはいるが、来客前や休日に集中してゴミ出しが可能動機付けや収納システムの改善、時短家電の導入で十分改善可能ADHD(実行機能不全)成人の約2.5〜4%に該当、片付けの困難は70%以上に併発段取りが組めない、途中で別のことに気を取られ作業が頓挫する精神論は無意味。「見せる収納」や外部サポートによる手順の固定化が鍵ためこみ症(ホーディング)有病率は一般人口の約2〜6%、中高年以降に重篤化手放すことに強烈な苦痛を覚え、台所や風呂場まで封鎖される明確な疾患。本人の同意を得ながら認知行動療法や医療連携を図るべき領域加齢性認知機能低下75歳以上の要介護・認知症予備群に急増(処分費用30万〜150万円規模)賞味期限切れの食品放置、同じ物の重複買い、衛生意識の低下単なる頑固さではなく初期認知症を疑い、地域包括支援センターと連携が必要

散らかった部屋の様相が似通っていたとしても、その根本原因が「注意の散漫」なのか、「手放すことへの病的な苦痛」なのか、あるいは「認知機能の減退」なのかによって、打つべき対策は180度異なります。本人を責める前に、どの要因が優位に働いているかを見極める作業がファーストステップとなります。

木村 陽翔
著者

木村 陽翔

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。