この二面性を現代のユースカルチャーへ鮮烈に蘇らせたのが、ロックバンド・Mrs. GREEN APPLEだ。フロントマンの大森元貴がアニメ『忘却バッテリー』のオープニングテーマとして書き下ろした楽曲「ライラック (Mrs. GREEN APPLEの曲)」は、まさにこの花の持つ二面性を完璧にトレースしている。
記憶喪失と野球、挫折と再生を描いた作品世界と呼応するように、楽曲は単なるキラキラした青春賛歌にとどまらない。影があるからこそ光が際立つという真理を、痛切な疾走感とともに叩きつける。
ユニバーサルミュージック合同会社からリリースされた同曲は、現代のJ-POPシーンにおいて異例のロングヒットを記録。青春の煌めきと、そこに不可避として付きまとう痛みや残酷さを「ライラック」というモチーフに託したことで、リスナーは花言葉の持つ本来の深淵に気づかされることになった。