タブーを撃ち抜く異端児・大島渚の衝撃作と熱狂の制作秘話を追う

タブーを撃ち抜く異端児・大島渚の衝撃作と熱狂の制作秘話を追う

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1950年代末、日本映画界の伝統を根底から覆す波が押し寄せた。その中心にいたのが、大手スタジオである松竹で頭角を現した大島だ。『愛と希望の街』や『青春残酷物語』で若者の行き場のない苛立ちと時代の断絶を描き出し、批評家たちはこれを「松竹ヌーヴェルヴァーグ」と呼んだ。だが、彼自身はそんな枠組みに収まる男ではなかった。

安保闘争の挫折を描いた『日本の夜と霧』が、上映開始からわずか数日で会社側によって打ち切られると、大島は激怒して松竹を退社。自ら独立プロダクション「創造社」を立ち上げる。体制の庇護を捨て去り、完全なる自由を手に入れるための決断だった。低予算の制約を逆手に取り、アヴァンギャルドな演出と鋭利な政治批判を融合させた作品を連発。妥協なき反骨精神こそが、彼の表現の原動力だった。

石川 優花
著者

石川 優花

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。