いち福の団子を巡っては、インターネット上でいくつかの誤解が散見されます。その最たるものが、「日持ちする仙台土産として遠方へ持ち帰れるのではないか」「通販やお取り寄せができるのではないか」という期待です。
結論から申し上げますと、仙臺だんご いち福のお取り寄せや通信販売は一切行われていません。その理由は極めて明確で、仙臺だんご いち福の賞味期限が「当日限り」、より正確に言えば「製造から数時間以内」に設計されているからです。
コンビニエンスストアや一部の量販店で販売されている串団子は、酵素やトレハロース、ソルビトールといった添加物を加えることで、冷蔵環境や数日間の放置でも硬くならない工夫が施されています。しかし、ササニシキ米100%で搗かれたいち福の団子は、デンプンの老化(β化)が自然の摂理通りに進みます。夕方以降になると徐々に生地が締まり始め、翌朝には確実に硬くなってしまいます。
「冷蔵庫に入れて保管すれば明日も食べられるだろう」と考えるのも大きな過ちです。米のデンプンは0度〜4度の温度帯で最も急速に老化するため、冷蔵庫に入れた瞬間、自慢のもっちりとした食感は失われてしまいます。どうしても当日中に食べきれない場合は、購入直後の柔らかい状態で一本ずつラップに包んで冷凍し、食べる直前に自然解凍するか、軽く蒸し直すといった応急処置が必要となります。しかし、職人が意図した最高の味わいは、購入後すぐにその場で、あるいは数時間以内に頬張る瞬間にしか存在しません。