2026年現在、山本太郎率いるれいわ新選組は、複数回の国政選挙を経て強固な支持基盤を確立し、キャスティングボートを握りうる国政政党としての地歩を固めています。街頭演説での巧みな双方向コミュニケーションや、SNSを駆使した寄付モデルは、日本の政党政治における一つの確立されたスタイルとなりました。
一方のビートたけしは、映画制作や執筆活動に軸足を移しつつ、テレビメディアの変容やポピュリズムの蔓延に対して超然としたスタンスを貫いています。直接顔を合わせて言葉を交わすようなメディア共演の機会こそ途絶えているものの、関係者の間では、たけしが時折漏らす時事評の中に「あいつもしぶとくやってるな」という、かつて自らの番組から飛び出した異端児への屈折した関心が今なお滲み出ていると語られています。
師弟という安易な絆ではなく、さりとて絶縁という冷え切った敵対でもない。日本のエンターテインメントの頂点に君臨した男と、そこから派生して永田町の異端児となった男。二人の間にあるのは、30年以上の歳月を経てもなお色褪せない、表現者同士の緊張感に満ちた不可思議な距離感にほかなりません。