インターネット上のQ&AサイトやSNSを調査すると、「毒を食らわば皿まで」をめぐる痛烈な失敗談や認識のズレが数多く報告されています。
典型的な誤用例として挙げられるのが、過酷な新規プロジェクトを任された若手社員が、意気込みをアピールしようとして次のように発言してしまうケースです。
「この難関プロジェクト、毒を食らわば皿までの精神で絶対にやり遂げてみせます!」
この発言を聞いたベテラン役員や取引先は、心の中で「うちの事業を毒(悪事・害悪)扱いしているのか」「不正をしてでも数字を作る気か」と警戒感を抱きます。本人は「不退転の決意」を伝えたつもりでも、言葉本来のニュアンスが仇となり、組織内での信頼を損なう結果を招いているのです。
では、どのような文脈であれば正しい使い方と言えるのでしょうか。適切な例文と誤用例文を対比してみましょう。
【正しい例文】
・「深夜にカップラーメンを食べてしまった罪悪感から、毒を食らわば皿までとアイスクリームまで平らげてしまった」
・「一度裏取引に関わって脅迫された彼は、毒を食らわば皿までとさらに大きな不正に手を染めていった」
【誤った例文(恥をかく使い方)】
・❌「お客様の信頼を勝ち取るため、毒を食らわば皿まで誠心誠意のサポートを続けます」(善行に対して使うのは誤用)
・❌「新商品の開発に、毒を食らわば皿まで全力で打ち込みます」(正当な業務努力を毒と表現してしまう)