大手不動産管理会社や原状回復工事業者の担当者への取材では、退去立ち会い時の「和室トラブル」に関する深刻な証言が相次いでいます。特にSNSやネット掲示板(知恵袋や5ちゃんねる等)でも、「よかれと思って敷いたマットが原因で敷金を全額没収された」「退去費用として20万円の追加請求書が届いた」という悲痛な叫びが散見されます。
都内の賃貸マンション(2DK・和室6畳)に3年間居住した30代男性は、退去時の惨劇を赤裸々に証言しました。
「和室を北欧風に見せたくて、入居直後にネット通販で木目調のウッドカーペットを購入し、部屋一面に敷き詰めていました。3年後の退去時、カーペットを撤去しようと持ち上げたところ、裏面のフェルト地が畳のい草とカビでドロドロに癒着しており、持ち上げるだけで鼻を突く猛烈な腐敗臭が立ち込めました。敷金が返らないどころか、畳6枚すべての新調代と防カビ下地処理費用として合計14万8,000円の追加請求を受け、頭が真っ白になりました」
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」において、通常損耗や経年劣化による修繕費用は貸主負担とされています。しかし、「借主の不注意や不適切な維持管理によるカビや結露の放置」は明確に借主の善管注意義務違反(過失)と判断されます。畳を傷つけまいと敷いた保護材が、皮肉にも高額な賠償責任を引き起こす最大の火種となっているのが現場の実態です。