シベリア出兵の真相とは?泥沼化の理由と米騒動の裏側を徹底解説

シベリア出兵の真相とは?泥沼化の理由と米騒動の裏側を徹底解説

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国家が他国領土へ軍隊を侵入させるには、国際社会を納得させる口実が必要です。シベリア出兵における最大の「建前」として利用されたのが、チェコスロバキア軍の救出でした。

チェコスロバキア軍は、オーストリア=ハンガリー帝国からの独立を悲願とし、大戦中はロシア軍の一員として戦っていた部隊です。ロシアが戦線離脱したため、彼らは連合国側として再び戦うべく、果てしないシベリア鉄道を経由して極東のウラジオストクへ向かい、そこから船で西ヨーロッパ戦線へ合流しようと試みました。しかし、その途上で革命軍(赤軍)との間に武力衝突が発生し、シベリア各地で立ち往生する事態に陥ったのです。アメリカのウィルソン大統領は「孤立したチェコスロバキア軍を救出し、彼らの自立を助ける」という人道支援の名目を掲げて各国に出兵を呼びかけました。

しかし、外交文書や当時の軍事記録が物語るシベリア出兵の本当の目的は、人道支援とは全く異なる次元にありました。米英仏列強の本音は「共産主義の封じ込め」と「革命政権の転覆」にあり、日本の指導層、とりわけ陸軍参謀本部にはさらに露骨な動機が存在したのです。

当時の日本陸軍は、日露戦争で獲得した満州(現・中国東北部)の権益を防衛するだけでなく、ロシアが混乱している間隙を突いて北満州から東シベリア一帯に日本の息がかかった傀儡政権を樹立し、自国の巨大な勢力圏・緩衝地帯に仕立て上げようと野心を燃やしていました。防衛省防衛研究所に保管されている当時の陸軍機密資料を紐解くと、バイカル湖以東の鉄道利権や資源を日本の管理下に置く構想が詳細に検討されていたことが確認できます。つまり、シベリア出兵は崇高な救出劇などではなく、各国の地政学的エゴイズムが渦巻く侵略的な干渉戦争に他なりませんでした。

渡辺 美咲
著者

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。