演出を手掛けた堤幸彦監督と、数々の傑作を送り出してきた制作会社オフィスクレッシェンドのタッグは、画面の隅々にまで遊び心と仕掛けを散りばめた。『SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜』から始まる一連のシリーズにおいて、彼らの演出手法は常に視聴者の予想を裏切り続けてきた。
TBSテレビの連続ドラマ枠でスタートした本作は、単なる刑事ドラマの枠組みを早々に打ち破った。コメディ要素とダークファンタジー、そして重厚なミステリーが混ざり合う独特の世界観。その中で斎藤工演じる入井脩の登場シーンには、後の展開を暗示した細かな小道具や視線の動きが綿密に計算されていた。何度見返しても新たな発見がある構造は、制作者たちの執念の産物だ。