多くの人が「中秋の名月は満月である」と思い込んでいますが、実は天文学的には中秋の名月が満月(望)と完全に重ならない年の方が多いのが実態です。事実、2026年から2026年までは3年連続で名月と満月の日が一致していましたが、2026年から2029年にかけては名月と満月の日付が1〜2日ズレる期間が続いています。
この現象が起きる根本的な理由は、主に2つの天文学的要因によるものです。
第一に、「旧暦の日付の数え方」と「天文学的な満月の定義」の違いが挙げられます。旧暦では、月と太陽が地球から見て同じ方向に来る瞬間(新月・朔)を含む日を「毎月1日」と定めます。したがって、新月を迎えた時刻が午前0時直後であっても午後11時過ぎであっても、その日が1日目となります。一方、天文学的な「満月(望)」とは、太陽・地球・月が一直線に並び、月面全体が完全に太陽光を反射する瞬間を指します。
第二に、月の公転軌道が真円ではなく楕円形を描いていることです。月は地球の周りを楕円軌道で周回しているため、地球に近い場所を通過するときは速度が速くなり、遠い場所を通過するときは遅くなります。この速度変化により、新月から満月になるまでの所要日数は常に一定ではなく、およそ13.9日から15.6日の間で変動します。そのため、旧暦8月15日の夜に月が必ずしも満月の位置に到達しているとは限らず、翌日や翌々日に満月を迎えるケースが頻発するのです。
2026年9月25日の夜に見られる月は、翌日未明に満月を迎える直前の「輝面比約99%」の月です。肉眼では完全な満月と見分けがつかないほど丸く輝いており、欠け始めの月よりもエネルギーに満ちた上り調子の美しい姿を鑑賞することができます。