SNSやネット掲示板、Q&Aサイトを観察すると、ミソジニーを巡るコミュニケーションの断絶が日々浮き彫りになっています。当事者たちの生々しい声から、そのリアルな実態を検証します。
知恵袋や大手掲示板では、次のような相談や書き込みが絶えません。
「会議で同僚の女性が正当な指摘をしただけなのに、上司が『男を立てる言い方をしろ』と激怒した。周囲の男性社員も苦笑いして誰も庇わない」(30代女性会社員の手記より)
「婚活で『家事や料理は得意?男を癒やすのが女の務めでしょ』と初対面で言われた。相手は至って真面目で、自分が失礼なことを言っている自覚が一切なかった」(20代女性の投稿より)
こうした声に対して、ネット上のコメント欄では「それくらいで差別と騒ぐな」「男だって傷ついている」といったバックラッシュ(反発)が即座に発生します。加害側の多くは「自分は男らしさを求められて苦しんできた被害者だ」という認知の歪みを抱えており、自身の特権性や無意識の加害性に目を向けることが極めて困難な状態に陥っています。
また、「女性専用車両」や「女性向け採用枠」などのポジティブ・アクション(是正措置)に対して過剰な被害者意識を募らせ、「男が逆差別されている」と攻撃的になる現象も、ミソジニーが被害者意識と結びついた現代的な変種と言えます。