副鼻腔炎の鼻水の色でわかる重症度|黄色・緑色・茶色の原因と受診目安

副鼻腔炎の鼻水の色でわかる重症度|黄色・緑色・茶色の原因と受診目安

副鼻腔炎の鼻水の色でわかる重症度|黄色・緑色・茶色の原因と受診目安に関する注目トピックを分かりやすく解説します。関心のある方は必見です。

鼻水の色は、体内における「免疫応答の激しさ」と「病変の経過時間」を正確に映し出すバロメーターです。健康な状態や風邪の引き始め、あるいは花粉症などのアレルギー性鼻炎では、鼻水は無色透明で水のようにサラサラとしています。これはアレルゲンやウイルスを洗い流すために、血管から染み出た血清成分と鼻腺からの分泌液が主成分だからです。ところが、ウイルス感染によって鼻粘膜が傷つき、そこに細菌が二次感染すると様相は一変します。

ティッシュに付着する副鼻腔炎の鼻水が黄色になる理由は、侵入した細菌を貪食するために血管から大量の白血球(主に好中球)が遊走してくる点にあります。好中球は細菌を取り込んで自滅し、その死骸や細菌の残骸、破壊された粘膜上皮が分泌液に混ざり合うことで、白濁した液体から次第に黄色い「膿性鼻汁(のうせいびじゅう)」へと変化します。

さらに炎症が長期化・重症化すると、鼻水は鮮やかな緑色や暗緑色を帯びてきます。この緑色の正体は、好中球の中に大量に含まれる「ミエロペルオキシダーゼ」というヘム鉄を含有する緑色の酸化酵素です。好中球が死滅して壊れる際にこの酵素が放出され、副鼻腔内に分泌物が長く滞留するほど酵素が濃縮され、濃い緑色へと変色します。かつて一般に信じられていた「緑色=緑膿菌の感染」という解釈は臨床上ほとんどの場合誤りであり、一般的な肺炎球菌やインフルエンザ菌などの感染であっても、激しい炎症反応と排泄の遅延によって鼻水は容易に緑色へと変色します。

一方、注意を要するのが副鼻腔炎の鼻水に茶色や血混じりの分泌物が認められるケースです。茶褐色は、赤血球が酸化して変色した「古い血液」の混入を意味します。炎症によって充血した副鼻腔粘膜の毛細血管が強く鼻をかんだ圧力で破綻した場合にも起こりますが、何週間も茶褐色の鼻水が続く場合は、副鼻腔内にカビの塊が形成される「副鼻腔真菌症」や、粘膜がキノコ状に増殖した「鼻茸(鼻ポリープ)」、さらには極めて稀ながら上顎洞や篩骨洞に発生する良性・悪性腫瘍からの持続出血が疑われます。

小林 直樹
著者

小林 直樹

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。