このTシャツの魅力を語る上で避けて通れないのが、稀代の切り絵作家・滝平二郎の存在だ。彼の遺した力強くも繊細なラインは、デジタルで描かれたイラストには決して真似できない「生々しさ」と「温かみ」を宿している。黒い画用紙をカッターで切り抜いて作られたその輪郭線は、Tシャツの生地にプリントされた際にも圧倒的な立体感を生み出す。
ただのキャラクターTシャツではない。それは、美術館に飾られるべきアートピースを身にまとう感覚に近い。若者たちは、そこに単なる「懐かしさ」だけでなく、デジタル社会に対するカウンターとしての「手仕事の美しさ」を見出しているのだ。