成田山公園の骨格をなしているのが、上流から段々状に配置された3つの池――「文殊の池(もんじゅのいけ)」「竜智の池(りゅうちのいけ)」「竜樹の池(りゅうじゅのいけ)」です。谷の湧水を集めて注ぐこれらの池には色鮮やかな錦鯉が無数に泳ぎ、水面には周囲の木々や浮御堂が鏡のように映り込みます。
特に「竜智の池」に浮かぶ浮御堂(うきみどう)は、公園散策の中心となる憩いの場です。浮御堂へと続く太鼓橋を渡り、堂内から池を見渡すと、水鳥が波紋を広げる穏やかな水景が広がります。また、池の奥深くには高さ約20メートルの崖から水が流れ落ちる「雄飛の滝(ゆうひのたき)」があり、清涼な水音とともにマイナスイオンが立ち込める隠れたパワースポットとして親しまれています。
文化的な深みをもたらしているのが、竜智の池のほとりに静かに佇む「成田書道美術館」と「茶室成庵(せいあん)」です。書道専門の美術館としては国内屈指の規模を誇る成田書道美術館は、江戸時代から現代に至る巨匠たちの名筆、さらには中国古碑の拓本など貴重なコレクションを収蔵。巨大な吹き抜け空間に展示された水墨壁面作品は圧巻の迫力です。また、緑の木立に囲まれた茶室成庵では、イベント時に野点(のだて)が催されるなど、喧騒を完全に遮断したわびさびの時間を体験できます。